専門的な治療
補聴器外来
当院では、補聴器を正しく理解していただき、補聴器装用が必要な患者さまには快適に補聴器を使って頂くことを目指すために、補聴器外来を行っております。
補聴器と一口に言っても多くの種類が存在し、性能も価格帯も様々です。そのためそれぞれの特徴をよく理解して、自分の聴力・付け心地・予算等に合わせて最適な補聴器を選ぶ必要があります。
しかし、補聴器の様々な機能は、会話の状況や聴覚障害の程度によっては不要であったり、無効であったり、場合によっては逆効果になります。
聴覚障害の状況と必要な会話能力と、生活環境を考慮して、それぞれの患者様が合理的な価格で適切な機能の補聴器を利用できるよう、相談を行っています。
補聴器に慣れていただくための無料の貸し出しも行っていますので、お気軽に相談ください。微細な調整を行いながら日常での使用感を確かめていただき、ご納得された場合は購入手続きを行っていただきます。購入後は微調整や定期点検・クリーニングを行います。また可能な限り、補聴器の急な不調にも対応いたします。
聴力が規定以下の場合、身体障害者に認定され、この認定を受けると障害者総合支援法により補聴器購入時に補助が受けられることがあります。
当院での補聴器外来の流れ
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①医師による診察
治療を要する病気がないかを調べるため、きこえに関する検査や耳の状態や難聴の程度を診察いたします。診断の上、補聴器の必要性や適応の有無の判定をおこないます。 -
②フィッティング・装用練習
補聴器が適応となれば、ご都合に合わせ補聴器外来の予約をおとりします。そこで、補聴器専門相談員による最適な補聴器の選択、調整(フィッティング)、装用練習などをおこないます。
補聴器の適応がある方全員が、うまく順応するわけではないですし、装着したとたんに誰でも快適に聴こえるというわけでもないです。
うまく使うためには、補聴器の聴こえ方に慣れることも重要ですし、幾度かの調整も必要です。 初めてのかたには、無料での貸出しもございますので、お気軽にご相談ください。 -
③定期的に
補聴器を購入しても、雑音も多いしうまく使えないので使わなくなったという人もいます。皆さまの周りにもそのような人がいるのではないでしょうか?
そうならないためにも、補聴器がうまく使えているかどうかを定期的にチェックさせてください。微妙な音の調整や補聴器が壊れていないかもみていきます。
当院では補聴器適合判定医(厚生労働省認定)・補聴器相談医(日本耳鼻咽喉科学会認定)の資格を取得した院長のため安心してご相談いただけます。また、身体障害者福祉法15条指定医として聴覚障害の診断、認定もご相談いただけます。
こんな場合はご相談ください
- 聞き違いが多い
- 聞き返しが多い
- 家族からテレビの音量が大きいといわれる
- 声は聞こえても会話の内容が聞き取れない
- 名前を呼ばれても気付けない
- 後方から近づく車や自転車に気付かない
- 補聴器を購入したが聞こえにくい・耳に合っていない
睡眠時無呼吸症候群
日中の症状
- 運転中にうとうとしてしまう
- 集中力が続かない
- 常に眠気がある
- しっかり睡眠をとったつもりでも日中に強い眠気や疲れ
- 突然耐えられないような睡魔に襲われる
寝ている時の症状
- いびきがうるさいのを指摘される
- いびきが一時的に止まり、その後に大きないびきが再開する
- 睡眠時に呼吸が止まっている
- 夜中によく目が覚める
- 寝汗をよくかく
起きた時の症状
- 夜中によく目が覚める
- 寝つきはよいが、寝起きが悪い
- 寝起きに頭が痛くなる
睡眠時無呼吸症候群は「一晩(7時間)の睡眠のあいだに無呼吸が30回以上、または1時間の睡眠中あたり5回以上の無呼吸がみられた場合」と定義されています。「無呼吸」とは10秒以上息が止まることを指します。夜間に呼吸が止まることで、昼夜問わずさまざまな症状が現れます。睡眠時無呼吸症候群(SAS)は大きく、「閉鎖型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)」と「中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)」に分けられます。
- 閉鎖型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)
- 肥満や喉・顎の骨格的な形状などが関与して、空気の通り道(上気道)が狭くなることで起こるタイプです。睡眠時無呼吸症候群の患者様のほとんどが、このタイプに該当します。
- 中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)
- 脳の呼吸中枢の異常で起こるタイプです。このタイプに該当する方は稀で、全体の数%程度といわれています。中枢性睡眠時無呼吸症候群が起こる要因は様々ですが、心不全など、心臓の機能が低下した方の約40%に、このタイプの睡眠時無呼吸症候群が合併するとされています。
睡眠中に呼吸が止まり、その結果血液中の酸素濃度が低下、それを補うため、睡眠中にもかかわらず、心臓など循環器系に多大の負担がかかっています。寝ながらマラソンをしているようなものだなどと表現されます。
その結果、短期的には、昼間眠たい(日中傾眠)、夜間の頻尿、朝起きたときの頭痛などがおこります。その他にも睡眠時無呼吸症候群(SAS)をそのままにしておくと、高血圧症、心不全、不整脈、糖尿病などの生活習慣病の合併を招く恐れがあります。時に突然死の原因となることも分かってきています。
このように、決して軽視できる病気ではありませんので、ご家族の方に「いびきをかいている」「寝ている時、時々、呼吸が止まっている」などと指摘された方は、放っておかずに一度当クリニックで検査を受けられることをおすすめします。
睡眠時無呼吸症候群の合併症
検査法
睡眠時無呼吸症候群の診断
- 軽度
- 無呼吸低呼吸指数5以上15未満
- 中等度
- 無呼吸低呼吸指数15以上30未満
- 重度
- 無呼吸低呼吸指数30以上
当院での治療方法
- CPAP療法
- 睡眠時無呼吸症候群の治療の中でも、安全かつ最も効果が期待できる方法です。睡眠中の無呼吸状態を防ぐために、睡眠中に鼻にマスクを装着し、陽圧をかけて鼻咽喉を広げて呼吸を助ける装置です。睡眠時無呼吸症候群の程度が、中等度以上の場合には保険適用で受けられます。
- マウスピース
- 軽度の睡眠時無呼吸症候群に対しては、専用のマウスピースを使って空気の通り道を広げて、無呼吸状態を防ぐ治療を行います。マウスピース作製の際には、専門の歯科医院をご紹介させていただきます。
- 手術
- アデノイドや扁桃肥大などが原因で睡眠時無呼吸症候群が発症している場合には、手術が必要となることがあります。手術が必要な方には、適切な専門機関をご紹介させていただきます。
舌下免疫療法
スギ花粉症またはダニアレルギー性鼻炎の治療方法として行う新しい治療方法です。アレルギーの原因物質であるアレルゲンを少ない量から投与し、徐々に増やしていくことでアレルゲンに反応する体質を改善していくため、根本的な体質改善が期待できる唯一の根治治療となっています。
舌の下に治療薬を一定時間保持した後、服用する方法です。スギ花粉症・ダニアレルギー性鼻炎と診断された方であれば、保険適用で治療を受けていただくことができます。
従来は、皮下にアレルゲンを含む治療薬を注射する皮下免疫療法が行われていましたが、舌下免疫療法の登場により、ご自宅で服用できるようになりました。3年以上、長期にわたって毎日お薬を服用し続ける必要がありますが、アレルギー症状を治したり、長期間、症状が抑えられたりするなどの効果が期待できます。
- こんな方におすすめ
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- 花粉症の症状が強く、お薬だけでは抑制できない方
- 体質を変えたい
- 眠気など、副作用のあるお薬の使用を止めたい方
- どうしても花粉症を治したい方
- 鼻水や鼻づまりが気になって集中できない
- レーザー治療に抵抗があり、実施しても改善しない
- 薬の量を少なくしたい
- 期待できる効果
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- 鼻水、鼻づまり、くしゃみの改善
- 目のかゆみ、涙目の改善
- アレルギー症状が治療できる
- 長期間、アレルギー症状が抑えられる
- 症状が完全におさえられない場合でも、症状を和らげ、アレルギー治療薬の減量できる
- 気管支喘息など、他のアレルギー疾患が予防できる
当院での舌下免疫療法の流れ
- 1.問診、診察・アレルギー検査
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問診(これまでのアレルギーの既往など)、診察後、アレルギー検査を行います。検査結果をもとに、舌下免疫療法が適応であるかを判断します。
- 2.初回投与
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初めての服用は、医師の監督のもと行い、2日目からは自宅で服用します。その後は自宅で内服を継続していただき、これを3年以上続けます。その間、概ね1ヶ月に1回程度のペースで、定期的に外来受診していただきます。
- スギ花粉症の方は6月から12月の間に初回の導入を行います。
- 1月から5月のスギの飛散時は初回導入できません。
- ダニの方は一年中初回の導入をすることが可能です。
方法
治療上の注意
舌下免疫療法は治療期間が長く、継続的な治療が必要となりますが、根本的な体質の改善により症状を軽減させる期待ができます。ご希望されるは是非お申し出ください。